トリエンナーレ学校

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2008/11/15  発信者: sorbet

第6回トリエンナーレ学校(8月9日)「横トリが面白くなる現代アート入門の【報告】


■第6回トリエンナーレ学校「横トリが面白くなる現代アート入門の入門」    


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・ 日時:8月9日(土)14:00〜15:45
・ 場所:ZAIM本館3階サポーズルーム
・ 講師:山口裕美氏(アートプロジューサー&現代美術ジャーナリスト)

 「現代アートのチアリーダー」の異名を持つ現代美術ジャーナリストであり、現代アートをプロデュースもされている山口氏の講演は実際に現代アートの最先端で仕事をされている方ならではのものでした。 
 単に現代アート最先端の情報のみでなく、国際的な政治や経済のいろいろな切り口から幅広い観点で、現代アートの現状と具体的な問題点や実践的な楽しみ方、受け止め方などをお話いただきました。
また、現代アートに詳しい人にも、詳しくない人にも多くのことを知らせたいという、現代アートへの愛と情熱があふれる超高速講義でした。権威、お金が重要視される世の中、弱いもの(現代アート)を助けるナイトのようというのが、山口氏に対する私の印象です。
 山口氏ご自身の仕事のご経験からは、アートのサポートではまず長いスタンスで気持ちを緩やかにもつこと、続けていくと周囲に理解してくれる人がでてくるので、「横浜トリエンナーレサポーターも続けることが活動の幅も広げますよ」と理解と励ましの言葉をいただきました。
 また交流会では、現代美術館の最高のものはDIA1でNY州のBeaconという田舎町にあると、個人的にもとても貴重な情報も得て、次回NYに行く機会があればぜひ尋ねようと思っています。
 盛りだくさんの情報から以下、箇条書きで要約します。

■そもそも現代アートとは
(1)伝統、(2)権威にもとづかない、(3)無所属で素材や表現形態にこだわらないものである。

■アートは問いかけであって答えではない
 作品からの問いかけを自分の家や社会に持ち帰り、ある時すっと腑に落ちることがあるのが現代アートの醍醐味である。
(1)現代アーティストは未来を(問いかけている)予見している。
(2)現代アート作品の解釈を考えることは正解のない問いかけを自問自答することになる。
(3)現代アートとの出会いは、自分の身体を駆使して特定の場所・時間での一期一会である。

■日本の現代アートは不遇だ!
 日本の芸術支援の現状はお寒い限りで政治が変わらなければ変化は望めない。美術館の経済的力が非常に弱く、よい作品を買うことができない一方で、日本のアートは海外の金持ちからどんどん大人買いされている。しかし、アーティストはその恩恵を受けていない。

■日本の現代アートは大いに期待できる
 (1)弱点を逆手に、(2)テクノロジーは世界一、(3)エコロジーを主導せよ。

■もっと日本のアーティストを世界に
 (1)Talent(才能)、(2)Technique(技術)、(3)Tolerance(寛容性・雅量)の条件を持つ作家も多く、特にTechniqueは世界的に見てもすばらしい人材がたくさんいる。
注)(1)(2)(3)の3つのTの話は、佐々木雅幸先生(大阪市立大学大学院教授)が提唱されている創造都市の条件からの引用。
http://www.creativecity.jp/subindex/what.htm

■横浜トリエンナーレの参加アーティストの楽しみ方
 国際展常連の作家については(17名)横浜で新作を出す作家は少ないのではないか? 大規模展には地元メリットがあるべきなのに、あまり日本のアーティストを出していないのは残念。
 現代アートの凄さは世界の政治上でも認められている。たとえばイギリスのブレア政権では、モダン・ブリティッシュ・アイデンティティ政策で多くの若い作家の国際的な活動を支援するなど、もっと日本もアートを文化的な道具としても役立てるべきだが見識不足。
 現代アートは観客の介入を作品の一部としているものも多いので、そのような作品は素通りせずに、参加して!!
 映像作品など見るのに時間がかかるものも人生の10分、15分を費やしてぜひ見てほしい。

■横浜トリエンナーレ参加アーティストの一部紹介とおすすめ
グラス・ゴードン:映像、国際展常連
ペーター・フィッシュリ&ダヴィド・ヴァイス:映像、ヴェネツィア・ビエンナーレ2003スイス代表
中谷芙二子:霧の彫刻が美しい(雪の研究で有名な中谷博士の娘で中谷博物館も管理)
テレンス・コー:北京生まれNY在住で、色々な表現が面白い
ケリス・ウイン・エヴァンス:映像
トニー・コンラッド:ミニマリズムの先駆者で作品に接する貴重な機会

■若手日本作家の紹介 
コバヤシ 麻衣子:ウサギでも馬でも人間でもない自画像
青 山    悟:ミシンの刺繍
保 井  智 貴:乾漆の生々しい動物の作品
名 和 晃 平:コンセプトは同じでもさまざまな表現方法をする。
勝 又 邦 彦:写真
浜 口    健:経文を使ったエロティックな作品
三 宅  砂 織:フィルムに穴をあけた作品
小 沢 さ かえ:色使い、ボリュームにぜひ注目を
笛 田 亜 希:ZAIMで活動中

■実際的に横トリに出かける際のアドバイス
◎歩きやすい靴、動きやすい服、そして水を持って。
◎作品はとりあえずざっと見て、さらに見たいものを選ぶ。
◎疑問点は臆せずアーティストに聞いてみよう、きっと嫌がられはしない。
◎ガイドツァーに参加するのも新鮮な視点が得られる機会になる。
ご参照ください 山口裕美さんプログ「チアリーダー東奔西走」http://tokyotrash.blog.so-net.ne.jp/2008-10-01    文:高山けい子